参加型インタビューの感想
全然まとまりきらないんですけど、とりあえず。
以前参加報告をした、海外幻水ファンコミュ主催の村山さんアンケートの回答が発表されました。
https://www.facebook.com/note.php?note_id=966717746757743
私が質問した内容については画像のような感じになります。
(当時フォロワー数0だったのをいいことに、かなり攻めの質問してますね〜)
主催者様と回答を下さった村山さんには圧倒的感謝…!
(関連インタビュー)
・同コミュ/2014年
https://www.facebook.com/note.php?note_id=664743966955124
・The Untold History of Japanese Game Developers: Gold Edition
※urlはリンクしていないので、コピー&ペーストでお願いします。
・ユーバーは混沌の化身
・3の統合編は短縮された部分がある
・ハルモニアを倒すことがフィナーレというわけではない
・主人公は普通の少年&英雄への成長を強いられる
この辺りは感じたことや考察と符合する納得のお答えでした。
スタッフで忘年会の件は、犬村さんもツイッターで呟いておれらましたね(^▽^)
現実の国をモデルにしていないとか、戦争については論じないとかは、すぐに現実の問題と直結してしまう変な人に絡まれないための予防策かなという感じ。
■紋章の設定
Q.真なる27の紋章を考えるにあたり、モチーフとなった物があるのでしょうか。(タロットカードだという考察をよく耳にしますが…)
A.108の約数にするという意図があり、最初は36を考えていましたが(水滸伝における天コウ星の数と同じ)、36では数として多すぎるというイメージを持ったため27に変更しました
27という数字にはあんまり深い意味は無いそうで。
でもタロット説を否定もしていないし、要素のひとつではあるのかなという印象。
幻水はなんでもアリと明言されている通り、古今東西の伝説・思想をちゃんぽんで組み合わせたり分割したりして作られてるんですよね。
剣と盾は中国故事だったりカインとアベルがモチーフに入ってるのだろうし、五行はそのまんま五行思想がベースなのだろうし。
自由度を残すために全部を決めてはいなかったとの事ですので、この回答には「ファン自身が関連性のある逸話を見つけて楽しんでね」という気持ちも込められているように感じました。
Q.門の紋章は表と裏に分かれた後も所有者は不老となっていますが、始まりの紋章との違いはなんでしょうか? また、門の紋章は分かれた状態でも1つの紋章として数えてもいいのでしょうか?
A.一応設定としては、始まりの紋章は二つに分かれたものが一つになるべく争うという事で完全に二つの存在ですが、門の紋章は一つのものを表と裏で別の人間が持っているということになっています。
えっ どゆこと?笑
この答えは予想してなかった…!
もっとエターナルチャンピオン読んでいけば納得できる元ネタが見つかるのかなあ。
■続編の可能性について
Q.もし機会があれば、新しい幻想水滸伝を作ってみたいと思いますか?
A.制作環境として良い形が作れるのならば。
これ一見期待を抱かせる前向きな回答なんだけど、実はそうじゃないですよね。
同ファンコミュでは、今度の活動方針に関するアンケートも実施していて、その項目のひとつに「幻水がタイトル名を変更するなら、どんな名前がよいか?」といった趣旨のものがあるのですが、これ、クラウドファンディングを模索する方向での質問っぽいなーと個人的には感じてました。(海外では日本よりも精神的後継作が盛んですし)
Q.ここ数年間、Bloodstained、Yooka Laylee、Mighty No. 9など人気ゲームシリーズの系譜を受け継いだ作品の数々が注目を集めていますが、幻水の精神的後継作品(spiritual successor)を作ってみたいと思ったことはありますか?
A.あまりそういう方向で考えた事はありません。
でも村山さんは、Kickstarterは可能性は感じるけど幻水の続編を作ろうと思ったことはないというお答えでした。それは賢明な選択だし、そうしないと納得できるものは作れないと考えておられるのでしょう。
何故ならメーカーの許可を得ない精神的後継作として作れば、幻水っぽい似て非なるものを作るのが限界になってしまうから。
版権を引き継ぐのではなく名を変えて新作として世に出すのならば、それまで作品内に登場した固有名詞ないしデザイン要素をそのまま使う事は出来ません。著作権的なアレが発生して怒られちゃうから。(タイトルを変更するのも版権への配慮ですね)
例として、ロックマソの精神的後継作あたりを見てもらえると分かりやすいと思います。タイトルもキャラも、そのままは使っていません。
つまりどういうことかと言うと、真・幻想水滸伝(仮)には、坊っちゃんもビクフリもゲドさんも4様も登場させられないし、国の名前も使えない。地図の形さえも変えなくちゃいないってことになります。
もうそれって幻水じゃないですよね。キャラクターと世界観が長年愛されてきたRPGなのに。
もし作ればティアクラや紡がれみたいになるかもしれませんが、ティアクラは面白かったし外伝だと割りきって許容できたけど、幻水の精神的後継作を謳って資金を募って同じようなものを出してしまえば、批判の対象になってしまうのは想像に難くありません。
Q.鈴木裕氏がShenmue 3でやったように、村山さんはコナミから幻想水滸伝の著作権を借りて幻水6をKickstarterで資金調達しようと考えたことはありますか?
A.ありません。
上記の質問ようにメーカーの許可を得て制作にあたれば、その問題はクリアできます。
でもコンシューマゲームの制作に消極的になってしまった&版権を手放さない事で有名な573が、快くIPを解放してくれる展開なんておよそ想像がつきません。
それに村山さんは、過去に573のオファーを複数回断ってる。普通に考えて、今更便宜を図る理由なんて573側には無いと思われます。
そしてそれとは別に、資金やスタッフの問題も別に存在する。
現状、メーカーとのしがらみやスタッフの離散といった問題が山積して、実現させるのはほぼ奇跡に近いんだと思います。
だから上に引用したお答えは、今のままじゃ気の乗らない飲み会の誘いに対する「行けたら行く」という返事ぐらいの意味合いなのかなーと受け取れました。
到底実現不可能だけど、もし最高の環境を整えてくれれば作るよ、みたいな。うーん。
Q.村山さんのシナリオはゲーム用ではなく、小説として出すことを考えたことはありますか?そして、シナリオは「ゲーム」という媒体は小説や映画と比較してどのような利点があると思いますか?
A.基本的には自分自身で小説化する気はありませんでした。ゲームの利点は、「苦労」とか「達成感」という感覚を一方的な描写以外でも共有できる点です。本拠地を手に入れたうれしさは、単に文章では伝えられない部分があるのではないでしょうか。
この部分はとても共感しました。RPGってただのゲームじゃなくて、プレイヤーが追体験する純度の高い物語そのものだと思うんですよね。
その一方、物語性という部分で見れば、小説と似ている部分もあるんじゃないかとも思います。
連続性の高い物語を、途中から作者を変えて継続すれば、ファンが離れてしまうのは仕方のない事だと思います。だってファンは、その人の知識や考えが詰まった、その人にしか書けない物語を求めて購入するんだから。
その辺りを理解できずに推し進めれば、コンテンツの衰退はやむなしなのでしょう。
でも村山さんはゲームという表現に誇りを持っておられるのに、もう573で幻水は作らない道を選んでしまっている。個人で行動を起こすのも半ば諦めているように見えます。
それと同時に、ファンの中の幻水も尊重しては下さっているのだけれど…
■まとめ的な
極端な話、団体名義の著作権の期限は公表後50年なので、あと30年経てばIPは解放されるんだけど、現実的ではないですよね。
それまで萌えられるだろうか。というか、村山さんも私たちも生きてるのかな?
やっぱ石油王に幻水をプレイしてもらうしか我々に未来はないのでしょうか〜
生みの親(天魁星?)が追い出されてしまい、その支持者が不満を覚えてお上(573)に声を上げている構図は正に水滸伝っぽいけど…!