雑記

村山さん27問のラジオインタビューまとめ

ここは2020年7月25日にラジオ放送局FM TANABEにて放送された「集え宿星!ラジオ目安箱 おかわり3杯目」の幻水生みの親の村山さんへのインタビューを、個人的にまとめたページです。

ラジオ公式が内容をテキスト化して公開するのは権利の関係上で難しいようで、WEB上で公式情報として確認が出来るページは現状存在しません。またラジオ音源にも著作権が有るため、リスナーが録音した音源をそのままアップするのも問題があります。

そのため、のちのちインタビューがあったことを知った人が目的の内容に辿り着き、なおかつ内容の正否を確かめるのは、時間が経つほどなかなか難しい状態になっていくと思われます。(個人の覚え書きがひとつでも多いと記録として残りやすいかなとも感じます)

リスナーから募集された幻水に関する27の質問を引用して、細かなニュアンスの違いなどはあると思いますが、録音していた音源から聞き取った内容ほぼそのまま書き起こしています。


※まず村山さんからの注意事項として、以下の前置きがありました。

「かなり古い話なので記憶違いがあるかもしれない」
「それとこれは(村山さん)個人の見解であり、幻想水滸伝の権利を持っているKONAMIさんが認めた公式設定ではない」
「非公式なたわごと」

Q1:
幻想水滸伝1、2のEDテーマは開発スタッフの皆さんが歌っていたそうですが、村山さんもその中にいましたか?EDテーマを収録したときの裏話などがあれば教えてほしいです。

私もEDテーマには参加しています。ただし私は音痴のくせに声がでかいので東野さんに後ろの方に下げられてしまいました(笑)

Q2:
幻水2では一定の方向にずっと歩いていると敵とのエンカウント率が変わってくる、というような細かい調整があると伺っており、これがゲームの快適度を向上させていると思います。他にあまり知られていないゲームシステム上の工夫というものはありますか?

当時のロードのストレスを減らすために、マップの先読み、ある程度まで次のマップに近づくとそのマップのローディングを早めに始めるということにかなり気を使っており、その代わりマップに使えるメモリが少ないために、かなりカツカツでマップデータを作っています。最後の最後でデータサイズがわずかにあふれたために、2階建ての店屋の2階への階段を樽で封鎖して、2階部分のデータをカットしたという事がありました。

Q3:
幻想水滸伝1、2の中に個人的に盛り込みたかった台詞やエピソードで、差し支えないものがあったら教えてください。個人的には1の戦争チームの名前で他の候補があったら知りたいです。

2のグリンヒルのニューリーフ学園は、学生生活的なことをもっとやりたかったかな。尺の問題と、戦争中に緊迫感が薄れそうというものあって入り切らなかったけど。戦争チームの名前とかは当時全部ひとりで考えていたので、複数候補を考える余裕が無かったかなあ。

Q4:
3のシナリオは最後まで村山さんが書かれたのでしょうか。関わっていたのがシナリオの途中まででしたら、どの辺りまででしょうか。

3のシナリオは基本的には全部関わっています。ただ当時の制作上の事情から、主人公たちが合流した後の展開については当初予定していたものよりも、かなり短くなっています。

Q5:
幻水3のエンディング、またルックがヒューゴに対峙した時に言うかつての仲間に思いを馳せる台詞が胸から離れないのですが、3の世界のそのまた未来の話を幻水3の制作時に構想はあったのでしょうか。そういう未来を考えてのことであれば、より彼の人生について考えられるなと思い質問させていただきます。

ルックはあの世界の在り方を壊すために行動しました。レックナートの知る未来をレックナートは受け入れていたが、ルックはそれに反抗しました。ユーバーが力を貸したのはそれが故で、セラはその行いが他社に受け入れられないと知りつつルックに付き従いました。幻想水滸伝3におけるルックの言葉は、自らの選択ゆえに本心を語っていないものも多いのですが、真の27の紋章の継承者となった過去の主人公たちの姿をそばで見ていて、そこに存在する運命の過酷さを知ったことが彼の行動の理由のひとつになったのかもしれません。

Q6:
幻想水滸伝のラストはハルモニアを倒すことではないと、かつてインタビューで語られていました[1]SUIKODEN REVIVAL MOVEMENT村山吉隆コミュニティインタビュー2016にて解答有り。。幻想水滸伝シリーズは、戦争に善悪を持ち込まず、両者に言い分があることを常に描かれ、3では国家間の争いが中断されルックの暴挙を止める流れとなりました。幻想水滸伝のラストについて、国家間の争いを超えた話を構想されていたのでしょうか。

多分、あの世界自身との戦いになったはず。

Q7:
ペシュメルガは何故ユーバーを追いかけているのだと思われますか?

ユーバーが破壊者であるからです。

Q8:
ネクロードはどうしてウィンディの仲間になったのでしょうか?ユーバーは混沌を望む側として、ユーバー自身が近づいたか、ウィンディがユーバーを引き入れたのだろうと予想出来ますが、ネクロードが自然とウィンディと仲間になる印象があまりないので、どういった経緯だったか知りたいです。

ネクロードはシエラが追ってきていることを知っているために、多くの策を講じていました。ウィンディに取り入ってその庇護を受けようとしたのも、そのひとつです。ウィンディ側も駒のひとつとして使えると思っていたのでしょう。

Q9:
オフィシャルワールドガイドブックで、キルキスのフルネームが「キルキス・シャナ・クエス・ラビアンカーナ」であることが記されていますが、こういった詳細な設定は村山さんの中にいつごろからあったのでしょうか。スタリオンやルビィやシルビナの村山さんの中のフルネームが知りたいです。今考えたとかで構いませんので是非お願いします。

シルビナが「シルビナ・ルル・シオン・ラビアンカーナ」。スタリオンが「スタリオン・ネリオ・ルドル・ラビアンカーナ」。ルビィが「ルビィ・リオン・クエス・ラビアンカーナ」。(村山さん注意書き/非公式設定ですよ)

Q10:
村山さんはビクトールが特にお気に入りのキャラということですが、モデルになった人、またはキャラや作品がありましたら教えてください。

モデルは水滸伝の魯智深、そして水滸伝に登場する義侠心に厚い好漢たちのイメージを引き継ぐキャラとして生まれました。

Q11:
ヒクサクの容姿について。ルックやササライと同じくらいの年代の見た目なのか、青年なのか、はたまたお爺さんなのか。村山さんのヒクサク像をお聞きしたいです。

最高機密なので無理です。

Q12:
クリスは英雄として担がれるまで、ゼクセン騎士内でどのような存在だったのでしょうか。

ガラハド団長の元ですでに有能さを認められていたが、女性であることや年若いこともあり、嫉妬の対象になることもありました。

Q13:
炎の英雄とはどんな人だったのでしょうか。そして50年前に起きた謎の爆発現象とは一体なんだったのでしょうか。その時、彼や彼の仲間に何があったのでしょうか。

炎の英雄はかなり気さくな人物であり、ゲドが信頼を寄せた魅力ある人物でした。自由に生き、そして過酷であろうとも自らの運命を自らの手で切り開く、意志の強い人物だったと思います。爆発はおそらくは真の紋章の暴走。そしてそれがハルモニアとの休戦へと至る遠因にもなり、真の紋章を自ら封じるという決意をさせた出来事だと思われます。

Q14:
カミーユに関する疑問ですが、1では槍術指南役だった彼女が、2ではトランの六将軍に名を連ねたのは何故でしょうか。たった3年で将軍になるのは大変だと思うのです。カイみたいに年齢を重ねているわけでもなく、バレリアやソニアみたいな軍人でもないカミーユが出世したのは何があったんでしょうか。

赤月帝国が倒れトラン共和国になった時に、政治・軍事の組織は一新されました。もともと赤月帝国で将軍職にあった者はその経歴から選ばれ、さらに解放軍での軍功により、カミーユやバレリアが選ばれました。この人事は、旧赤月帝国の将軍職のみで軍事が握られるのを恐れたのかもしれません。なおカミーユの槍術指南役は個人的な先生ではなくて、兵士への訓練を行う役で軍の役職です。

Q15:
ハイランドがハルモニアから下賜されたという「白銀の槍」[2]ゲーム本編には登場しない。「幻想水滸伝大辞典」などに、設定のみが存在する。とは、なんだったんでしょうか。

謎。おそらくはどこかで失われて、デュナン統一戦争時にはハイランドに現存しなかったと思われます。もしくは獣の紋章のことを指していたのかもしれません。

Q16:
ムーアが所属する「カマロ自由騎士連合」とはどのような組織なのでしょうか。鉄頭と呼ばれるゼクセン騎士団に負けず劣らず重装備の彼等がシックスクランとどのような関係を築いているのかが特に気になります。また、モデルになった国や組織がありましたら教えていただきたいです。

カマロ自由騎士連合は単独で領地を持っていた騎士たちが集まって作られた集団なので、騎士団というよりも各メンバーが独立して存在し、その集合体というイメージです。古くから領地を受け継ぐ名家から、ほぼ自称に近い者まで居たりします。

Q17:
真なる27の紋章を継承すると不老になり、テッドも外していた期間があるから成長したと幻想真書にありましたが、生まれた時から紋章を宿しているルックとササライは例外的に赤ん坊からあの姿まで成長しているのでしょうか?それともクローンだから生まれた時からあの姿?とっても気になっております。

肉体的には赤ん坊状態からあの年齢まで成長していますが、意識を初めて持つのは成長したあとなので、そこを生まれた時と認識している。という設定だったはず。

Q18:
吠えたける声の組合の象徴的な武器である「シュテルン」「モーント」「シュトルム」について、「星」「月」ときたら太陽を思い浮かべるのですが、ギルドの長の証でもあるシュトルムは何故「嵐」なのでしょうか[3]ドイツ語で、シュテルン=星、モーント=月、シュトルム=嵐

シュトルムは唯一精霊が宿る銃とされており、特別な存在。シュテルンとモーントは決闘の儀式のために使われる特別な銃という違いがあります。個人的には収まりが悪い方が何かあったような気がしていて好きだったりします。おそらく最初はシュトルムだけが存在し、後からシュテルンとモーントが加わったんじゃないかと。

Q19:
ハイランド王国は海に面している部分もありますが、海軍は存在しなかったのでしょうか。

海軍は存在したと思われますが、デュナン統一戦争でが出番は有りませんでした。

Q20:
ハイイースト動乱[4]2と3の間にデュナンとハルモニアの間で起こった紛争。は、外伝など何らかの形で詳細が明らかにされる予定はあったのでしょうか。

有ったよ。

Q21:
ザジ・キュイロスの故郷「サナディア」と3のクイーンの故郷「サナディ」は、同一の存在、もしくは関わりのあるものなのでしょうか。

多分同一だった。国名がサナディで、その中にサナディアが有ったと思うけど、ちょっと記憶が薄れています。

Q22:
私は幻水シリーズに登場する女性の中でシエラが一番好きなのですが、村山さんがお好きな女性キャラは誰ですか。またどんなところがお気に入りでしょうか。

もちろんバレリアです。かっこいい女性が好きです。

Q23:
幻想水滸伝シリーズでの村山さんの押し協力攻撃を教えてください。また紋章を宿すとしたら、どの紋章を宿してどんな事をしたいですか?

協力攻撃はムササビファイブ。紋章は、暑い時に風の紋章で涼しい風を楽しみたい。

Q24:
幻想水滸伝シリーズに登場する国や地域の中で、もし村山さんが旅行できるとしたら何処に生きたいですか?

ゼクセン。料理が美味しそう。

Q25:
シリーズを通して好きなモンスターはなんですか。「こいつなら倒せそう」「美味しそう」「一緒に暮らしたい」などの理由もお聞かせいただけると幸いです。

カットバニー。元ネタのWizardryのボーパルバニー、そして更に元ネタのモンティ・パイソンの映画「Holy Grail」に登場するキラーバニーが好き。

Q26:
本当にたくさんのキャラクターが登場しますが、村山さんが今誰かのスピンオフを書くなら、誰の物語を書きますか。

ゲンゲン隊長。もしくは、リドリー将軍の息子ボリスが将軍としてハイイースト動乱に挑む話。

Q27:
最後に、ラジオを聴いているファンに一言お願いします。

僕がかつて参加した作品を、長い年月を経てもなお好いてくださっている皆様が居ることを非常に嬉しく思っています。ありがとう!!

References

References
1 SUIKODEN REVIVAL MOVEMENT村山吉隆コミュニティインタビュー2016にて解答有り。
2 ゲーム本編には登場しない。「幻想水滸伝大辞典」などに、設定のみが存在する。
3 ドイツ語で、シュテルン=星、モーント=月、シュトルム=嵐
4 2と3の間にデュナンとハルモニアの間で起こった紛争。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です