雑記

コルム1巻「剣の騎士」感想(ネタバレ有)

前にご報告したとおり、幻水の世界観と深い繋がりがあるエターナルチャンピオンシリーズ(以下、エタチャ)を買ったり借りたりして少しづつ読んでいるので、その感想をつらつらと書いていきたいと思います。
今回は、以前図書館で借りて読んだ、コルム前半3部作が一冊にまとめられた新装版「剣の騎士」感想です。

 
(※エルリック・サーガ1巻/旧版の感想はこちら)
http://memo108.x0.com/?p=124
 
上のリンク記事でも書いているとおり、旧版エルリック1巻を読んだ時は正直「退屈はお話だなー」だと感じてしまったわけですが…
しかし!新装版コルムは翻訳者が変わったお陰なのか、スラスラ読み進めることが出来ました。
まるで京極夏彦作品みたいな分厚さ(革のブックカバーに入らなかった)なのに、最後まで面白かったです。
 
まずなんと言っても、主人公のコルムにすごく好感が持てます。
彼は永遠の戦士(転生して戦い続けるさだめの英雄)の中でも、神話の時代の英雄として書かれているそうで。
箱入りの貴公子だったコルムが、広い世界に出て散々な目に合って、段々世俗的になっていくのが面白いです。
高潔で、時に復讐の炎に身を焼かれながらも、仲間と世界のためを一番に戦う姿がまさに英雄。
ちゃんとライバルと決着をつけて締めくくったストーリーも、高評価です。
装飾の少ない簡素な鎧を身にまとってるのも何気にいい。他の永遠の戦士の装備を見た時の「こいつらやたら派手だな(意訳)」って感想には、笑わせてもらいました。
 
種族が違う恋人であるラリーナを大切にしているのも、ポイントが高い。
自分以外同族は全滅したと思い落胆したあとに結ばれて、でも同族が生き残っていたのが後から判明するんですが、それでも、ラリーナを変わらず愛し続けるんですよ!
現在進行形で管理人の中で株が下がりまくりの某エルリックさんにも見習って頂きたいですね…!
(でも出会ってすぐに薬を盛ってくる未亡人がヒロインなのも、十分色々すごいなって思ったけど)
 
エタチャは特有のごちゃっとしたイメージしづらい背景描写が、何度も何度も出てきて、それがクドくて目が滑る事も多いんですが、「剣の騎士」は比較的それが少なかったような気がします。
どうやらコルム編はシリーズの他の作品とは違い、古代ケルト神話を意識して書かれたそうで。無駄がなくてテンポが良いストーリーなのも、そのためなんでしょうか〜
 
あと拷問シーンを詳細に書いてるのに濡れ場はスルーしてるあたりに、日本と海外の需要の違いを感じましたね。北方水滸伝じゃあ、逆でしたよ?
(北方水滸伝では、読者は何故か、中年の男女の濃厚なラブラブっぷりを見せつけられるのであります)
 
そしてエタチャを読んでいくにつれて、ムアコック作品に影響を受けてつくられたファンタジー作品がどれほど今の日本に溢れているのかが段々分かってきて、その偉大さに気付かされてやばいです。幻水だけじゃなく、FFとかももろに影響受けてますね。最初つまんないとか言ってホントさーせんでした…!
真珠の砦でまたちょっと挫折しそうになってましたが、残りも頑張って読みます ノシ
 
 
■拍手ありがとうございまスカーレティシア城!
人が!人が来てる!ってびっくりしました。続きもう少々お待ちください〜

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