雑記

北方水滸伝9巻感想

美女の梁山泊入りに喜ぶのも束の間、久しぶりの林冲回で色んな意味で悶え苦む今巻。
過去の北方水滸伝の感想を読んでくださった方はご存知とは思いますが、管理人は予測変換の「り」で最初に林冲が出るような林冲ファンです。すみません。
さて、死んだ妻が生きているとの嘘の噂につられて、戦のさなか単騎飛び出した林冲。
もー林冲の一途さとか男気とかにあてられて、言葉が出ない。
「女ひとり救えなくて、なんの志か。なんの夢か」
「ここで救い出せなかったら、ともに死ぬ、と決めてきた。張藍、許せよ。私は、おまえのためだけに、死力をふり搾る。それでも力が及ばなかったら、許せ。ともに、死のう」
もうね…………抱いて!!!
安道全と白勝との絆も良かったし、生還した後のふてくされて馬糞掃除する姿すら愛おしかった。
そして後半は、仕事人・鄧飛の壮絶な最期が描かれます。
元々気に入った相手を助けるのは、彼にとっては当たり前の行動だったのでしょう。
しかし最期の仕事では、「気に入らない」「嫌い」と憚らずに口にしていた柴進をも、身を挺して助け出しました。
それは、それまで自分の感情に忠実だった彼がそれを超越して、自分が何をすべきかを理解し行動した瞬間だったのかもしれません。
価値あるものを数多く救ってきた鄧飛。名を残す、認められるといった事にやたらとこだわっていた様子でしたが、心の底で彼を動かしていたのは本当は名誉とか名声とかそういったものではなく、過去の体験から来るもっと根本的な承認欲求だったのかもしれないと感じました。

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